表装(ひょうそう)・額装(がくそう)(Ⅰ)

<福岡県築上郡上毛町 H様>

御祖父様が大事にされていた掛軸を預かりました。

水墨の龍寅の図は本紙が折れているところは折ぶせで補修、墨の抜けているところは補筆をし、本紙が

いっそう引き立つように裂地はエンジを使いました。

補修前

補修後


<大分県中津市 N様>

昨年亡くなられたご主人の遺影写真の額の相談を請けました。

永年トップとして企業に貢献された故人様の遺影額は重量感のある「隅丸・落し」をお勧めしました。

    従来の額(平貼)

    平らに作品が貼られた額

・額の型‥隅丸 四つ角の内隅を円形に仕上げた

・落し‥額に入子(外面金)で段差を設けた作り

    段差があるので作品が立体的に見える

・作品の廻り(内面金)に金で囲い作品を際立た

  せる

・縁‥うるし塗り

・マット‥西陣



<大分県宇佐市 H氏>

シミが付いた掛軸の修復をしました。長い間保管していたためカビも発生していました。

風通しもできますので、時々床に掛けるように伝えました。保存には桐箱がのぞましいのですが、紙箱の場合でも掛軸専用の防虫香を入れることも大事です。

仕上前

修復後


<大分県中津市T 氏>

T様の祖父が昭和の初めに描かれた【達磨】の掛け軸です。

本紙の傷みやシミがあり、修復の相談を請けました。

修復された大事な思いの深い掛け軸は、これから先もT家で代々引き継がれることと思います。

修復前

完 成


<大分県中津市 M氏>

毎年年末になると翌年の干支にちなんだ書の表装を頼まれます。

慶事であるので制作する私も有難い気持ちになる仕事の一つになっています。

<福岡県豊前市 S氏>

以前、古美術商の方から、「良い作品ですね」と言われた記憶があり、今回修復を思い立たれました。

作品は大副であり、傷みもひどく、特に本紙の折れ、シミ、画仙紙の欠損など手間のかかる作品でしたが、床の間にかけることが出来、またこれからさ先も保存ができ、S様から喜んでいただきました

 

   施 工 前              状   況           完  成

<大分県中津市 H氏>

2枚の額の修復の依頼を請けました。

施 工 前

 

1枚は戦前までH家が宮司を務めていた由の年史

 

 

1枚は神社の由来

 

 

施 工 後

 

先祖から受け継いだ大切な額で、新しい額装を喜んでいただきました

<福岡県築上郡上毛町宇野 N氏>

家屋を解体するときに倉庫から新谷 鋨僊(しんたに てっせん)の古い屏風が出てきました。

この作品は、日本美術協会の入選作『月下の虎』であると思われ、この作品で高い評価を受け、41歳頃画業に専念することを決意した

 

新谷 鋨僊…慶応3年(1867)~昭和29年(1954) 北九州市八幡西区木屋瀬出身

       山水、花鳥、虎などの絵を描くほか、だるまを得意としており、【達磨の鋨僊】と

        呼ばれている

 

  北九州市立長崎街道木屋瀬宿記念館には15点ほどの絵を所蔵しているが、その半数は達磨絵

施 工 前

本紙(絹本)がきちんと裏打ちされてなく、保存も悪く、へり周りの糊が変色し、十数か所の破れや虫食いがあった

修 復 後

    上紙…越前特産手漉和紙金竜

    枠 …女桑

    金物は既存の八双総丸を使用


<北九州市八幡 K教会>

客室大広間の床の間に掛けてある大幅(嬰戯図)の修復の依頼を受けました 

 

*【嬰戯図】とは中国の伝統絵画の一つで、子供たちが遊戯を楽しんでいる場面を描いた図

 干支や縁起物、そして祝福の意味が込められた品々が絶妙に組み合わされ、中国文化において      

  象徴的な意味を持ち、幸福と和睦を祈る素朴な願いを表している

修 復 前

教会の催事を催す度に多くの方が収納していたので、折れじわが強く、掛軸のバランスも短かった

修 復 後

  • しわ全部に【折れぶせ】を当て修復
  • 掛軸のバランスも縦横大きく整えた
  • 軸に太巻芯を作り、取扱い方を説明した


<中津市 O>

第二次世界大戦中のミッドウェー海戦に参戦した伯父様の遺書の額装の依頼を請けました。

歴史的に貴重な物を預かり、永久保存できることに表具屋冥利に尽きます。

 

施工前

しみ、破れあり

(左端の余白の部分を切断して裏打ちをした)

施工後

   額…隅丸・女桑   マット…西陣 

本紙は共紙(左端の余白)で裏打ちをしたので、うまく修復ができ、小スジは銀を用い、すっきりとした仕上がりになりました。

 


<中津市 T様>

旧商家の二階に保管されていた衝立の貼替依頼を請けました。上紙は一任されましたので、

表面は「越前手漉き和紙の金竜」、裏面は「栄光大礼金銀振」を用いました。

玄関に立て、新年を迎える準備ができたと喜ばれました。     

                                 平成29年12月

   表面…越前手漉き和紙 金竜             裏面…栄光大礼金銀振

<中津市 T様>

T氏のお父様と親交のあった『犬養  毅』書の額装の修復を請けました。

戦時中、遠方の豊後高田に疎開した際、家具とともに運び出した時に額にも傷がついたそうです。

       修復前                   修復後(本金箔) 

犬養 毅…第29代内閣総理大臣   号…「木堂」

 論語我道一以貫之  我道、一を以って之を貫く   一貫して変わらずに道を進むこと

<中津市 T様>

『犬養 毅』の額で本金箔を用いた修復で大変喜ばれ、再度『副島 種臣』書の修復を請けました。

 永年、蔵に保管されていて雨漏りなどで傷んでいましたが、修復で蘇りました。

       修復前             修復後

                           額…隅丸・漆つや有り・アクリルガラス付き

                   マット…西陣 

副島 種臣幕末から明治時代の佐賀藩士・政治家・書家 (1828年~1905年)

       号…「蒼海(そうかい)」、「一々学人(いちいちがくじん)」

        

           *福澤諭吉も影響を受けた書家の一人

<豊前市三毛門 T様>

額装等の依頼を受けましたT様から 本金・本銀の扇面を貼りこんだ古い傷んだ『風呂先屏風』を頂きました。

扇面を丁寧に剥ぎ、ひも蝶番の二曲の屏風に仕立て直しました。

 

)…本銀の扇面は年月を過ぎるごとに重厚な黒っぽい色になり、趣が出てきます

 

)…金の含有量が多くなるほど変色は少なくなります

<大分県中津市京町 丹羽茶舗様>

100年以上続く老舗の丹羽茶舗様から屏風の修復の依頼をお受けしました。これらの屏風も100年以上大切に使われていたそうです。

 

屏風の下張に使われていた薄くて上質の和紙

 

反古(ほぐ)・反故(ほご)…書画などを書き損した紙や文書のこと

黄檗 大鵬(おおばく たいほう)

  江戸中期の渡来禅僧  1674宇治黄檗山15代住持となり、退隠したが、再び18代住持となる

  (1690~1774)

          修 復 前

        修 復 後


貫名 海屋(ぬくな かいおく)

 徳島生れ 江戸後期の書家・文人画家・儒教者

 書は『幕末の三筆』として称揚される。

 号は多数あるが、海屋と菘翁(すうおう)が一般に知られている (1778~1863)

         修 復 前

      修 復 後



<大分県中津市 I様>

ご主人の初盆のために、知り合いの書道家に書いていただいた「南無阿陀彌陀仏」を上合金で仏表具にしました。

桐箱をつけました。


<福岡県築上郡上毛町 T様>


亡くなられたご主人の法名を額に入れて、

仏壇に飾りたいとの相談を受けました。

縦19cm・巾10cmの特注の硯屏(ケンビョウ)で仕上げました


<大分県中津市三光 K様>


『十三仏画』の本紙をいただいたそうです。

上合金で『仏表具』に仕上げました。

桐箱を付けました。


<大分県中津市 E寺院>


50年ほど前の作品です。本紙(紙)が経年劣化で触れると破れてしまう状態でした。

周りのマットも紙で仕上げていて、本紙同様劣化が進んでいました。

裏打ちをし、周りのマットは織物(西陣)を用いて、作品保護のため、アクリルをはめました。

額も黒塗り(つや有り)の隅丸を使いました。


<大分県中津市 T様>

福岡の筥崎八幡宮の『放生会おはじき』を額に入れました。

おはじきは直径2cm程の土を素焼きし、博多人形師が色付けを施したものです。

 

<大分県中津市 I様>

90歳のI様は、I様の祖母が明治時代から大切にされていらした額の修復をしました。

平野五岳(ひらのごがく)書

 1894(明治26)年没 83歳

 豊後日田の人 願正寺住職

 別号…古竹園

 広瀬淡窓門下の逸材となる

*額の左側に「古竹園」と「岳」

 の文字がある  

 

 

 

帆足杏雨(ほあしきょうう)     1885(明治17)年没 75歳

 豊後国戸次の人

 別号…聴秋、半農

 南宗画家として全国的な大家

 広瀬淡窓に学び、画を好み、

 田能村竹田の門下最高峰とな

 る 

*額の左側に「杏雨」の文字と印

 がある   


<大分県中津市 I様>

 掛軸と額の表装の依頼がありました。

 

 

福成舟仙(ふくなりしゅうせん)書  大分県中津市出身

 

  *表装の形状…仏仕立て・正絹使用

     

 

国井誠海(くにいせいかい)書  山形県出身

 

『呑』の古文体  今の時代を「丸呑み」して生きる

         「したたかさ」を表現している

 

 

 *額の寸法…全紙1/2(86㎝×86㎝)

<大分県中津市三光 H様>

 掛軸と額の表装の依頼がありました。

 

今年(平成28年)初盆を迎えられるお父様に お寺の住職が書かれた『南無阿弥陀仏』を表装しました。

 

*表装の形状…仏仕立て・正絹使用

       金軸先

勲記額

位記額


              外枠素材…木製  外枠塗装色…女桑

 

他社からのダイレクトメールでの案内もありますが、当店でも材質、価格ともにお客様のご相談を承っております。

 

<大分県中津市耶馬渓町 M様>

『小野 桜山』の書を預かり、額の修復をしました。

小野 桜山…広島出身 下毛郡耶馬渓青(本耶馬渓町)に来往、詩文・画をよくした。

      郷土文献資料の収集し、晩年「馬渓文庫」を設立。文庫はいまなお維持保存されている

          1937(昭和12年)6月没 85歳

     施工前            しみ抜き             完成


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